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変えないことが誇り。素直な田舎酒「寿々乃井酒造店」のメインビジュアル

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2025.12.12

特集

変えないことが誇り。素直な田舎酒「寿々乃井酒造店」

天栄村で200年以上の時を重ねてきた「寿々乃井(すずのい)酒造店」。この蔵の酒は、派手さや流行とは無縁。裏山から湧き出る清らかな水を使い、地元で育てた米を仕込み、必要以上に手を加えません。「造りで操作せず、水と米の持ち味をそのまま引き出すこと」。その蔵の誇りと哲学を、女将の鈴木理奈さんに伺いました。

水と米のままに。操作しない酒造り

創業は江戸時代。現在も10人ほどの蔵人が、冬の冷気の中で仕込みに励んでいます。杜氏は地元・天栄村出身の永山勇雄さん。岩手県の南部杜氏の流れをくむ職人で、60年以上のキャリアを重ねてきました。永山さんをはじめ蔵人たちも米農家であり、酒造りの傍ら田畑も耕しています。

「この土地で育った米を、この土地の水で仕込むんです。水も米も含めて、うちの味なんですよ」
そう語る鈴木さんの言葉どおり、蔵の裏山に湧く清水は軟水特有のやわらかさを持っています。濾過を経て使うその水が、酒に繊細な甘みをもたらすのです。震災の際には半年ほど濁ったこともありましたが、今は再び澄みわたり、蔵の命を静かに支えています。

変えないことが、蔵の矜持

「寿々乃井酒造店」の酒造りは、昔からのスタイルで、変わらずに続いてきました。
蒸した米に種麹を振り、麹菌を定着させる。麹菌が均一に繁殖するよう、手で揉み込み混ぜあわせる。栗のような香りがたてば「出麹」となり、そこから、醪(もろみ)を育て、自重でゆっくりと搾る――純米大吟醸のような上級酒ほど、より丁寧で昔ながらの方法を守っています。

「いい意味で、何も変えない。それがうちの酒の安定感なんです」と鈴木さん。
毎年同じ時期に、同じように繰り返されてきた手間が積み重なり、200年の揺るぎない味わいが出来上がっているのです。

地の米で醸す、素直な味わい

杜氏の田んぼは、蔵のある矢中地区にあります。育てるのは“幻の酒米”とも称される「亀の尾」。この酒米で「純米吟醸 寿月 亀の尾」が醸されています。水が流れる田と蔵、ひとつの循環のなかで生まれた酒は、メロンのような含み香があり、瑞々しく豊かな味わい。永山杜氏がいう「天栄村の恵まれた自然を生かした酒造り」を体現した銘酒です。

酒米「五百万石」を使った「特別純米酒 自然流 寿月」は、リンゴのような香りがふんわりと広がり、冷やでも燗でも、どんな肴ともあうのが魅力。
どちらも派手さはありませんが、飲むほどに体にすっと馴染み、いつのまにか“また飲みたい”と思わせてくれる美味しさです。

“寄り添う酒”を、次の世代へ

鈴木さんは、山形県の長井市から嫁いできた当初「山ばかり……私はどこに来たんだろう」と驚いたそう。けれどすぐに、この地の豊かさに気づいたといいます。
「お米も野菜もお酒も、そして人も、同じ水で生かされているんだなあと思ったんです」

「自分が主役じゃなくて、そっと寄り添ってくれるお酒でありたいんです」
「寿々乃井酒造店」の酒は、まさにその言葉どおり。派手ではないけれど、静かに心を慰め、どんな食事にも自然に溶け込みます。「細々とやってきたけれど、これからも変わらずに続けていきたいですね」と話す鈴木さん。その目は、清水のように澄んでいました。蔵に流れる水のように、時代が変わっても、この蔵の酒はゆるやかに、誠実に流れ続けていくのでしょう。
※写真右は、米・食味鑑定士の芦垣裕さん。

(DATA)
寿々乃井酒造店
住所 福島県岩瀬郡天栄村牧之内矢中1
電話番号 0248-82-2021
営業時間 9:00~17:00
休日 なし
交通アクセス 東北自動車道矢吹ICから20分
HP https://suzunoi.jp/

ACCESS 天栄村までの道のり